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最高裁判所第二小法廷 昭和33年(あ)261号 決定

本籍

福島県安達郡本宮町字中条五六番地

住居

東京都渋谷区八幡通り一丁目八番地 秋山光輝方

(東京拘置所在所)

店員

神田定一

大正五年四月二四日生

本籍

埼玉県北葛飾郡杉戸町大字堤根三八九二番地

住居

同県北足立郡与野町大字八王子九七〇番地の二

会社員(元銅鉄屑商)

杉本政次郎

大正七年五月一〇日生

右被告人神田定一に対する窃盗、賍物運搬、被告人杉本政次郎に対する窃盗各被告事件について昭和三二年一一月二五日東京高等裁判所の言渡した判決に対し被告人等から上告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。

主文

本件各上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人神田定一の負担とする。

理由

被告人神田定一の上告趣意は事実誤認と量刑不当の主張であり、同弁護人江口高次郎の上告趣意とともに刑訴四〇五条の上告理由に当らない。被告人杉本政次郎の上告趣意は結局事実誤認の主張に帰し(一審判決およびこれを維持した原判決は、所論被告人の警察および検察庁における各供述を証拠に供していないことその判文上明白である。)、同弁護人紺藤信行の上告趣意は事実誤認と再審事由の主張であつて(所論上申書は、その作成者である中谷信次が既に第一審において証人および共同被告人としてまた第二審においても証人として供述したその供述内容に関するものであつて、刑訴四三五条六号にいう「明らかな証拠をあらたに発見したとき」に該当しない。)刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条(被告人神田のみ)により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

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